ひとくちにFIREと言っても、その種類はひとつではありません。旅行などの贅沢費も資産でまかなうファットFIRE。生活を切り詰めて早めに達するリーンFIRE。バイト程度を続けながらのバリスタFIRE。そして、生活費は資産に任せ、贅沢費は仕事で稼ぐサイドFIRE。
私が選んだのは、サイドFIREです。42歳で会社員を卒業しました。
もともとはファットFIREしか知らず、ファットFIREに必要な資産額を計算したら気が遠くなりました。リーンFIREは、生活の質を下げることになるので、選ぶ気になれませんでした。消去法の末に残ったのがサイドFIREです。この記事では、私が3つの型を「選ばなかった理由」を順に書きます。ご自身の型を考える材料になれば幸いです。
まずは言葉の整理|FIREの種類は4つ
FIREの分類には幅がありますが、よく目にするのは、ファット(Fat)・リーン(Lean)・バリスタ(Barista)・サイド(Side)の4つです。ひと目で比べられるように、表にまとめます。
| 型 | お金の設計 | 働き方 | 必要資産 |
|---|---|---|---|
| ファットFIRE | 贅沢費も含めた暮らしを全部、資産収入で | 働かない | いちばん多い |
| リーンFIRE | 生活費を絞り込み、資産収入で | 働かない | 少なめ |
| バリスタFIRE | 資産収入+足りない分は勤務収入で | 短時間働く | 少なめ |
| サイドFIRE | 生活費は資産収入。仕事の収入で贅沢 | 好きな仕事で働く | ファットとリーンの間 |
最初に目指したのはファットFIRE|出てきた数字は1.9億円
私は、FIREと言えば、(言葉は知らなかったですが)ファットFIREのことだと思い込んでいました。
2024年の夏、本気でFIREを考え始めて、必要額を試算しました。利回りは税引後3%と、やや保守的な置き方です。出てきた答えは「全く働かないなら1.9億円必要」。正直、驚きました。当時の資産からは、まだ1億円ほど足りませんでした。
私のFIRE選びは、この驚きから始まりました。ここから、FIREについてもっと調べることにしました。
リーンFIREを選ばなかった理由
FIREへの最速のみちはリーンFIREです。生活費を絞れば、それを賄うのに必要な資産は小さくて済みます。実際、リーンFIREなら私ももっと早くFIREできたはずです。
それでも、選びませんでした。生活を切り詰めてまで手に入れる自由の先で、人生がみじめな気もする。それが正直な感覚でした。
もうひとつ、私には妻と子どもがいます。生活費を絞るということは、自分ひとりの我慢では終わらず、家族も巻き込むことになります。早く辞められるかより、辞めたあとの暮らしをどう感じるか。そう考えて、リーンFIREは選択肢から外しました。
バリスタFIREを見送った理由は「働くって、なんだろう」
ある程度働き続けるバリスタFIREには興味がありました。資産で足りない分を短時間の勤務で補う形なら、FIREの時期は手前に来ます。
ただ、その暮らしを想像したとき、ひとつの問いが引っかかりました。会社をやめたのに、短時間とはいえ時間拘束される会社員として働くって、なんだろう。この問いに、自分の中で答えが出ませんでした。
それなら、もう少しだけ今のままホワイトカラーとして働き、資金を積んでから辞めるほうが、自分には納得がいく。そう考えて、バリスタFIREも見送りました。(一定時間働ければ健康保険に加入し、半額を会社が負担してくれるメリットはあります。)
私の答えはサイドFIRE|ラインは約1億円に下がった
残ったのが、サイドFIREでした。生活費は、配当と投資信託の取り崩しでまかなう。楽しみのための費用は、やりたい仕事(事業)で稼ぐ、というかたちです。
この形にすると、贅沢の分まで資産に背負わせる必要がなくなります。FIREラインは1.9億円から約1億円まで下がり、手が届く現実の目標に変わりました。FIRE時の資産は、このラインを上回る1.2億円でした。いまは、税引後で年およそ280万円の配当が、暮らしの土台です。
働くこと自体は、やめていません。やめたのは、生活のために働くことです。自分のラインをどう計算したかは、手順として別の記事にまとめています。
FIREに必要な資産額はいくら?目安と計算3ステップ【40代でFIREした実例】
まとめ|型選びは「いくら貯めるか」より「どう生きたいか」
- ファットFIRE:理想。ただ、私には1.9億円と遠かった
- リーンFIRE:早い。ただ、家族を巻き込む我慢はしたくなかった
- バリスタFIRE:現実的。ただ、会社を辞める意味を自分に説明できなかった
- サイドFIRE:生活費は資産、楽しみは好きな仕事。私の現実解
振り返ると、型を決める場面で見ていたのは、金額そのものではありませんでした。その型の暮らしを、自分と家族が続けたいと思えるかどうか。前提の置き方ひとつで、必要な金額は1.9億円から約1億円まで動きました。数字が生き方を決めるのではなく、生き方が数字を決める。それが、4つの型を検討し終えたいまの実感です。
もし型で迷っているなら、気になる型を前提に、自分のラインを一度計算してみるのがおすすめです。数字が出ると、その暮らしの輪郭まで見えてきます。手順はこちらにまとめました。
FIREに必要な資産額はいくら?目安と計算3ステップ【40代でFIREした実例】
私がこの選択に至るまでの18年間は、1本目の記事に書いています。
