人生の選択肢としてFIREを考えており、
いったいいくら必要なの?
と悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
実際、十分な資産を持っている確信がもてなければFIREの選択ができないはずです。
私は、42歳、子育てのなかで、FIREしました。
今回は、FIREするために必要な資産額を計算するための3つのステップと、私の場合の実例を紹介します。
みなさんが、ご自身の場合はどうか、を計算する参考になればと思います。
必要資産は(年間生活費×30)+生活防衛資金で概算できます。
私の場合は約9,860万円。手元資金の方が上回り、FIRE可能と判断しました。
FIREに必要な資産額を知る3ステップ(概要)
FIREに必要な資産を知るステップは、次の3ステップです。

①年間生活費を把握する
②年間生活費を賄うのに必要な資産額(生活必要資産)を計算する
③生活防衛資金を足す
①年間生活費を把握する
FIREに必要な資産額と聞いて拍子抜けのように地味な話ですが、資産額に最も影響する要素は、「生活費」です。
高級マンションにお住まいで、生活に年間1,000万円必要な方は、1億円あってもFIREはできません。
一方、年間の生活費が200万円の方であれば、FIREできるかもしれません。
実際にFIREの決断をするタイミングでなければ、ざっくりで結構ですので、住居や食費などの生活費にどの程度かかっているか、把握することが第一歩です。
クレジットカード明細と口座の引き落とし履歴を直近1年分眺めれば、30分でざっくり出ます。
なお、生活の中では、家電や車の買い替えなど、毎年発生するわけではないけれど、確実にどこかで必要になる支出(特別費)もあります。
例えば、家電は冷蔵庫と洗濯機で10年に一度買い替えで30万円必要であれば、年間生活費に3万円足しておく必要があります。
私の場合、特別費を含めた年間生活費(世帯のうちの私の負担分)は312万円でした。
なお、旅行費などのぜいたく費も金融資産でまかないたい場合は、生活費にぜいたく費も入れておきましょう。
(教育費が必要な方は、年割りにせず別枠で上乗せしておくのが安全です。私も、家計とは別に、置いてあります。)
②年間生活費を賄うのに必要な資産額(生活必要資産)を計算する
次に、年間の生活費を賄うのに必要な資産の額を計算します。
結論、「生活費 × 30」くらいを目安にするのが分かりやすいです。
「株式50%、債券50%のポートフォリオで、30年間、毎年4%取り崩しても、95%の確率で残高が残っている」という米国の研究結果(4%ルール)があります。
4%ルールの詳しい仕組みと私の使い方は、4%ルールとは? 月10万円に必要な投資信託の額を計算してみたに書いています。
これを前提にすると、毎年必要な生活費の25倍を持っていれば良さそうです。
ただ、この研究は税金を考慮していません。日本では取り崩し時の譲渡益などに約20%課税されるため、25倍では不足する可能性が高まります。概算であれば「生活費 × 30」くらいにしておくのがおすすめです。
月の生活費ごとの目安は、次のとおりです。
| 月の生活費 | 年間生活費 | 必要資産の目安(×30) |
|---|---|---|
| 20万円 | 240万円 | 7,200万円 |
| 25万円 | 300万円 | 9,000万円 |
| 30万円 | 360万円 | 1億800万円 |
私の場合、312万円 × 30 = 9,360万円でした。
もし「必要額が大きすぎる」と感じたら、生活費の半分を好きな仕事で稼ぐサイドFIREという型もあります。賄う生活費が半分になるため、この表の必要資産はおおむね半分(3,600万〜5,400万円)に下がります。型の選び方は「FIREの種類は4つ|子持ち会社員だった私がサイドFIREを選んだ理由」に書きました。
③生活防衛資金を足す
これまでの試算は、金融資産で生活費を賄うことを前提にしています。
急な病気で追加の出費が必要になる
保有している株式が暴落して換金するのがためらわれる
といった事態に備え、「現金」を保有しておくことが重要です。
「生活防衛資金」と呼ばれており、FIREを前提にした場合、最低でも生活費の1年分は持っておくのが良いでしょう。
私の場合の資産

私の場合、生活防衛資金は、保守的に500万円に置いています。生活必要資産が9,360万円、生活防衛資金が500万円で、計9,860万円が必要、という計算になりました。
私の資産は、
金融資産:1.1億円
現金:1,000万円
ですので、FIRE可能、というざっくりした試算になりました。
※iDeCoに3,000万円ほどありますが、60歳まで動かせないので今回の計算からは除きます。
この記事の計算を、そのまま試せるシートを用意しました。コピーしてご自身の生活費を入れるだけで、必要資産額と達成率が自動で計算されます。
Googleアカウントがあれば「コピーを作成」ですぐに使えます。Excel版のダウンロードはこちら
29歳100万円からこの資産を築くまでの記録は「FIREまでの道のりを実額公開|29歳100万円から42歳1.2億円の資産推移」に書いています。
共働き・住居・教育費はどうする?わが家のFIRE計算のリアル
「生活費×30」の式はシンプルですが、実際に計算しようとすると、共働きの家計や教育費をどう扱うかで手が止まる方が多いはずです。家計管理などを含め、私が実際にどうしているかを紹介します。
共働きの生活費は「自分の負担分」だけ数える
わが家は妻と財布が別で、生活費用と教育費用の2つの共用口座に、毎月それぞれが入金しています。負担額は、収入や家事の分担などを総合的に勘案して相談で決めていて、概ね半々です。
記事中の「私の負担分312万円」は、この入金額をベースにした自分の負担分です。妻の収入や資産は知りません。財布が別なので、妻の資産はFIREの計算に入れていません。自分の必要資産は、自分が負担する生活費だけで計算する。共働きなら、これがいちばん揉めないやり方だと考え、こうしています。
住まいは賃貸 住居費は生活費に込み
住まいは賃貸です。家賃は毎月の生活費に含めているので、「312万円×30」の中に住居費も入っています。持ち家でローンを完済している方は、その分生活費が小さくなるので、必要資産も小さく出ます。
家計の管理はマネーフォワードME
家計は家計簿アプリのマネーフォワードMEで管理しています。共用の銀行口座、生活費用のクレジットカードを紐づけておけば、自動的に家計簿が作られ、支出を可視化することができます。マネーフォワードMEオフィシャルサイト
私個人用の銀行口座、クレジットカードは別に作っています。
教育費は「別枠」で先に確保する
教育費は、生活費×30には入れていません。理由は、発生する時期が限られているからです。わが家はいまのところ教育費がほとんどかかっておらず、大きく発生するのは大学進学後です。いまの生活費に教育費を混ぜると必要資産を大きく見積もりすぎるし、かといって無視して資産のプランニングをすると足りなくなる。だから別枠にしています。
金額は、子ども1人あたり2,000万円の想定です。実際に使うのは15年以上先なので投資に回せると判断し、元本2,000万円を目標に、オルカン50%・先進国債券50%という、かなり保守的な配分で積立投資をしています。
一般的な目安は、幼稚園から大学まですべて公立で約800万〜1,000万円、すべて私立なら2,000万円を超えるといわれます。わが家は進路の選択肢を狭めないよう、上限に近い2,000万円を保守的に置いた形です。
必要資産額が不足する場合はどうする?
さて、FIREに必要な資産が分かれば、FIREに向けての道のりを加速したいところですが、その手段は、次の2つです。
ⅰ 年間生活費を下げる
ⅱ 給与を上げて投資を増やす
ⅰ 年間生活費を下げる
これまでのとおり、FIREの必要資産額のすべての基礎は、年間生活費です。生活費を1割下げることができれば、必要資産額も1割減ります。
これはかなり大きな差ですので、まずは日々の生活費に無駄がないか、下げられる余地があるものを探す、というのが重要です。
生活費を下げる方法としては、通信費、保険などの固定費の見直しが有効です。詳しくは、今後、記事を書いていきます。
ⅱ 転職などで給与を上げて投資を増やす
生活費を下げたうえで、合わせてできるのは、給与所得を上げて、その分は投資に回す、ということです。(投資の元手=種銭を増やす、ということです。)
では、どうやって給与所得を上げるのかです。
私は「転職」で給与を2割上げました。
厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)でも、30〜40代では45〜46%の人が転職で給与が増え、3割前後が1割以上増加しています。
転職後、会社との相性が良くないこともあり得ますので、リスクがないわけではないですが、FIREを目指すのであれば、検討に値します。
上がった分の給与は、生活の質を変えなければすべて投資に回せます。資産規模が大きくなると、資産形成が加速し、仕事へのモチベーションも上がります。
まとめ
FIREに必要な資産額は、「年間生活費×30+生活防衛資金」で概算可能です。
概算の結果、FIREに必要な資産が足りなそうであれば、生活費を下げる、転職などで給与を上げることが必要です。
実際、私も両方取り組んでFIREを達成しました。特に効果が大きかったのは転職でした。「どれくらい給与が増えるか」は人それぞれですので、プロの転職エージェントに相談して、まずは金額イメージを把握されることをおすすめします。
私が実際にエージェントを使った体験は、【JACリクルートメント体験談】企業を知り尽くした担当者と面接に挑み、年収2割増に書いています。
