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「契約審査を担当」と書いたものの、何を付け加えれば経験が伝わるのか。法務の職務経歴書を作る際に、迷いやすい部分です。
業務名を具体化し、件数・金額などの規模と期間、自分の役割を添える。 まずは、この形で経験を整理してみてください。数字にしにくい業務も、何を作り、どこまで担当したかを具体的に書けます。
私は法務の採用側として、8年間、応募者の職務経歴書を読んできました。自分が37歳で転職し、年収を2割アップした際にも、読む側の経験を踏まえて書類を作りました。
この記事では、法務パーソンが職務経歴書を書く際の具体的ポイントと、記載例を、私の転職時の実体験とともに紹介しています。ご自身の経歴書を書く、アップデートする参考にしてください。自分の経歴の一項目を書き直せます。
- 採用側が確認していた法務経験
- 実体験に基づく記載例と自己PR
- 提出前に見直したいポイント
採用側として職務経歴書を見ていた視点
まずは読み手(採用側)としてどういった視点で職務経歴書を読んでいたかを紹介します。
読み手(採用側)としては、どんな仕事を、どの立場で担当してきたか、を見ていました。
応募者が勤務されている会社の法務部門を詳しく知っているわけではありませんので、会社名や部署名に加え、仕事の中身が具体的にイメージできる記載がありがたかったです。
私が採用側で確認していた法務経験は、大きく次の4つです。
- 事業法務:担当した契約や法務相談
- コンプライアンス:不正調査や規程・制度の整備
- 紛争解決:訴訟などの案件と担当内容
- 海外:海外赴任や英文契約などの経験
この4つは私が採用時に使っていた観点で、すべての求人で必須という意味ではありません。経験5年ほどでは事業法務やコンプライアンスを中心に、英文契約など海外との接点があることが望ましいと考えていました。10年ほどでは、事業法務に加え、不正調査や規程策定などのコンプライアンス経験を期待していました。年数だけでなく、担当してきた内容を見ていたということです。
どういった経験を持っている人か分からないと、「会わなくてよいか」となりがちです。守秘義務との関係もあり、書けない内容もありますが、読み手が仕事を想像できるよう、記載内容をできるだけ具体化するのが得策です。
希望する会社や応募先が決まっていれば、求人票と照合しながら作成すると、書類選考に合格しやすいですが、未定であれば照合なしでいったん作成するのが良いでしょう。
経験を整理する観点から確認したい方は、法務の転職で評価されるスキルも参考にしてください。
応募者としての私の記載例
「契約対応」だけでは、読み手としてはどれだけの経験、スキルがあるのか分からないものです。契約・法務相談、コンプライアンス、紛争対応に、人材育成を加えた4つの例について、具体的にどういった記載が良いかを、実際に私が転職した際の職務経歴書に記載した内容を含め紹介します。

1. 契約・法務相談:法分野や担当件数も書く
| 一般的な記載 | 私の記載 |
|---|---|
| 契約審査などを担当 | 約500件/年の売買、業務委託等契約、競争法等法務コンサルティング対応 |
約500件/年は、当時の私個人の担当件数です。
「契約審査などを担当」だけだと、どういった経験をしたのか、分かりません。どういった契約が多いかは業態や会社によって意外と異なります。対応した件数も人によって様々です。競争法、景表法などの法分野や対応案件数を意識すると、具体的イメージを伝えられます。
2. コンプライアンス:作った制度や仕組みと担当部分を書く
| 一般的な記載 | 私の記載 |
|---|---|
| コンプライアンス制度運用 | 中国における内部通報制度の立ち上げ |
「コンプライアンス制度」だけでは、贈賄なのか、競争法なのか、どういったリスク対策なのか分かりません。私は、「内部通報制度」と「中国における」と添えました。加えて、コンプライアンスの場合、すべてを一人で担当することは稀ですので、担当した部分も記載すると、経験をイメージしやすくなります。
3. 紛争対応:案件の規模も書く
| 一般的な記載 | 私の記載 |
|---|---|
| 訴訟対応 | 不正取引に関する社内調査の推進および訴訟対応(訴額約50億円) |
「訴訟対応」に、案件の種類と金額を添えた例です。私が採用側で読んだ場合も、訴額は案件の大きさを知る材料になりました。一般的には、金額が大きいほど、重要な案件を任されたんだ、と評価されます。複数の訴訟を担当した場合には「◯件の◯◯に関する訴訟対応(訴額総額◯◯円)」などと記載するのも良いでしょう。
4. 人材育成の経験も具体的に
マネジメントや、後輩の育成の経験も、具体的成果を添えると、経験を伝えやすいです。私は「部下の育成(課長昇格2名)」と記載しました。「部下の育成」だと、どの程度の難易度の育成をしたのか伝わらないと考えたからです。
人材育成の経験の記載あるなしは、経歴書の印象に大きく影響します。若手の方の場合、新入社員のサポートも立派な人材育成の経験ですし、積極的に記載しておくと良いでしょう。
自己PRの書き方
自己PRでは、強みを支える行動を、読み手が追える文章にします。
私は採用側として、アピールの内容以上に、文章の分かりやすさを見ていました。主語と述語が対応しているか、一文が長すぎないか、といった点です。
法務の仕事では、複雑な内容を相手に説明する場面があります。自己PRの文章も、説明の仕方を知る材料になっていました。
強みを裏付ける経験と行動
私が実際に書いた自己PRの要点を紹介します。
日本と中国で、契約審査などの個別案件への対応と、法務・コンプライアンスの体制づくりを経験してきました。仕事では、現場とよく対話し、現状を理解することを意識してきました。
「幅広く対応できます」という強みも、どの領域を経験したかまで書くと内容が伝わります。さらに、現場との対話のように、仕事で意識している行動を添えます。
自分の自己PRも、強み、その根拠となる経験、実際の行動を確認してみてください。
書類には要点を残し、その背景や具体例を面接で説明できるようにしておきます。 質問してもらいたい経験も、内容と自分の役割が分かる記載にしてください。
面接で経験をどう掘り下げられるかは、法務の面接でよく聞かれる質問7つに、採用側としての出題意図をまとめています。
提出前の確認ポイント
書き終えたら、内容面、形式面、双方で見直しをしましょう。
誤字脱字と記載内容の確認
私が採用側だったときは、職務経歴書に誤字脱字がある応募は、選考を見送っていました。自分の書類を確認する丁寧さを、法務の仕事と結び付けて見ていたためです。
提出前には、次の3点を確認します。応募先が未定なら事実と表記から見直し、決まったら求人票と提出条件も照合してください。
- 基本情報の正確さ:氏名・会社名・在籍期間・役職・資格が正確で、履歴書と一致しているか
- 守秘義務:案件情報は開示できる範囲に収まっているか
- 形式面:誤字脱字・一文の長さ・主語と述語を見直したか。指定書式に合わせ、提出ファイルの表や改ページまで確認したか
時間を置いて読み返す、声に出して読む、第三者に見てもらう。自分に合う方法で確認すると良いでしょう。
第三者に添削してもらう
内容面は、第三者に添削してもらうと、自分では気づかなかった改善点を見つけやすくなります。
私の転職時の職務経歴書は、JACリクルートメントのコンサルタントに添削してもらいました。
JACリクルートメントを活用した転職の流れを、JACリクルートメント体験談で紹介しています。
まだどのエージェントに頼むか決めていない方は、リクルートエージェントとJACリクルートメントの違いで、コンサルタントの付き方や紹介の届き方を確かめてください。
まとめ|採用側に伝わる職務経歴書
法務の職務経歴書では、担当した契約・制度・案件を具体的に示し、規模・期間と自分の役割を添えます。 自己PRでは強みを裏付ける経験と行動を伝え、提出前には記載内容と文章を見直してください。
JACリクルートメントなどの転職エージェントに添削してもらうのも検討の一つです。
JACの転職支援は無料で、転職を決める前の相談にも対応しています。求人紹介や支援の可否は、経験・希望と紹介可能な求人の状況によります。最新の条件は、公式FAQとサービス概要で確認できます。
※サービスの内容は変わることがあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
