法務の面接で何を聞かれるのか、答えづらい質問が来たらどうしよう。そんな不安はないでしょうか。面接する側を8年務めた私が、実際によく聞いていた質問と、その出題意図をお伝えします。出題意図を理解しておけば、何を答えるべきかの解像度を上げられると思います。
法務採用面接【よくある質問7選】
まず前提として、私のいた会社の面接は、たいてい3人ほどで行っていました。その場で私がよく聞いていた質問は、次の7つです。
1. 職務経歴書にある経験の詳細
2. 転職理由
3. 印象深い案件
4. 一番大変だった案件
5. 失敗した経験
6. 業務の中で心がけていること
7. (管理職の方には)マネジメントで気をつけていること
見ていただくと分かるとおり、特殊な質問はひとつもありません。ただ、それぞれに明確な「出題意図」がありました。順に説明します。
それぞれの出題意図
経験を聞く質問、スキルに加えて「主体性」を見る(質問1・3・4)
経歴の詳細、印象深い案件、一番大変だった案件。この3つの質問の意図は共通していて、経験とスキルの確認です。加えて、印象深い案件や大変だった案件の話し方から、主体性や、課題をどれだけ深く捉えていたかも見えてきます。同じ案件の話でも、どこを課題と捉え、自分がどう動いたかまで話せると、印象は変わってきます。加えて、他部門との協働をしているか、という視点でも聞いています。
転職理由、ネガティブな理由は言わないほうがいい(質問2)
転職理由で見ていたのは、その方が転職で叶えたいことが、当社で実現できるかどうかでした。ここが合っていないと、入社後にお互いが苦しくなってしまいます。
ひとつ、面接する側の本音をお伝えします。転職理由として現職のネガティブな面を話されると、「言い訳する人なのかなぁ」だったり、「我々も、辞めるときにはそう思われるのかなぁ」と想像してしまうものです。嘘をつく必要はありませんが、前向きな理由に軸足を置いて話すほうが、聞いている側の印象はグッと良くなります。退職を切り出すときも同じで、詳しくは「退職はいつ・どう切り出すか」に書いています。
失敗した経験、「成長する人か」を見る(質問5)
失敗した経験を聞くのは、過去を責めるためではありません。失敗にどう向き合い、何を変えてきたのか、つまり、PDCAを回すことができる人かを確認したいという趣旨の質問です。言い換えると、成長できる人かどうかを見極めるためです。失敗談そのものより、「そこから何を変えたか」まで話せるかがポイントです。
心がけ・マネジメント、考え方の「深さ」と「合うか」を見る(質問6・7)
業務の中で心がけていることからは、主体性と考えの深さが見えます。管理職の方へのマネジメントの質問では、マネジメントに対する考え方と、それが当社に合っているかを確認していました。
どちらも、正解のある質問ではありません。ただ、当たり障りのない回答だと、「考えが浅いのかな」という印象につながりがちでした。自分の言葉で、具体的に話すのがおすすめです。
「深さ」は、役割と独力かどうかで測っていた
「法務の職務経歴書の書き方」で、書類では経験の「有無」を見て、深さは面接で確認する、と書きました。では、面接でどうやって深さを測るのか。私が聞いていたのは、担当した案件そのものに加えて、その中での役割、そして上位者の指示のもとだったのか、独力で進めたのか、です。
つまり、案件名を並べるだけでは深さは伝わりません。「自分は何を担い、どこまで自分で判断したか」を面接前に整理しておくと、深掘りの質問にも落ち着いて答えられると思います。
圧迫面接は、しない。されたら辞退していい
答えづらい質問への不安と合わせて、圧迫面接を心配される方もいるかもしれません。私は、圧迫面接や意地悪な質問をしたことはありません。
そして、これは本当にそう思うのですが、外部の方である応募者に圧迫や意地悪をするような会社は、内部の人にはもっとするはずです。もし圧迫面接を受けたら、その会社は辞退したほうが良い、というのが私の考えです。面接は、こちらが評価される場であると同時に、こちらが会社を見極める場でもあります。
逆質問は「採否判断の大きな材料」
面接の最後にある「何か質問はありますか」。実はここが、採否の大きな材料のひとつでした。
一切質問がないと、「当社にあまり興味がないのかな」と判断していました。一方で、待遇などの情報収集に終始するのも、もったいない使い方です。条件面の確認はエージェント経由でできますから、この場では、職場の人にしか聞けないことを聞くのがおすすめです。
たとえば「どんな想いで仕事をしているのか」を確認するための質問をいただくと、「自分に合う会社かどうかを確認しているんだな」と感じ、しっかりした方だという印象を持ちました。
応募側だった私が、面接で聞かれたこと
私自身の転職面接では、海外勤務の経験を、かなり深掘りして聞いていただきました。職務経歴書の記事で「目を引く経歴は、こちらから押さなくても、どのみち質問してもらえる」と書きましたが、まさにそのとおりのことが起きたわけです。
そして、「失敗した経験」も聞かれました。自分が面接で聞いていた質問を、聞かれる側として受ける。今でも覚えているくらいですから、答えごたえのある質問です。ただ、出題意図を知っていれば、怖い質問ではありません。失敗と、そこから変えたことを、素直に話せば良いのです。
まとめ 質問の裏の「出題意図」を読めば、面接は怖くない
最後に、要点を整理します。
・質問は定番の7つ。特殊な質問はなく、経験の深さと考え方を確認する質問が中心です
・転職理由は前向きに。ネガティブな理由は「我々もそう思われるのかな」と想像させてしまいます
・深さは「役割」と「独力かどうか」で測られます。自分の判断で動いた部分を整理しておく
・圧迫面接を受けたら、辞退していい。面接は、会社を見極める場でもあります
・逆質問は採否の材料。職場の人にしか聞けないことを準備しておく
面接に進む前の書類づくりは「法務の職務経歴書の書き方」に書いています。また、応募先ごとの情報収集にはエージェントも役立ちます。私の実録は「JACリクルートメント体験記」にあります。あわせて読んでいただけたら嬉しいです。

