「FIREに必要な資産は、生活費の30倍」と聞いて、自分の生活費をすぐに答えられる方は少ないと思います。
家賃は入れるのか。家電の買い替えは。共働きなら、どちらの支出を数えるのか。
私は42歳、子育ての途中で、資産1.5億円でFIREしました。わが家の家計は月40万円で、そのうち私の負担分の26万円をもとにFIREの計算をしました。
この記事では、家計40万円の内訳と、生活費に何を入れて何を入れないかを公開します。共働きと教育費の扱いも、そのまま書きます。
必要な資産額の目安は「年間生活費×30」なので、生活費を正しく数えることがFIREの出発点です。よく聞く4%ルールは25倍ですが、日本の税金と長い取り崩し期間を見込んで、私は30倍にしています。
その考え方は「FIREは2億円でも足りない?生活費で決まる必要資産額と1.5億円の実例」に書きました。自分の生活費が分かれば、必要な資産額は記事の後半の早見表ですぐに引けます。
- わが家の家計は月40万円、私の負担分は26万円
- 「生活費×30」に入れる支出と入れない支出
- 共働き・住居費・教育費の数え方
- 生活費が決まれば必要な資産額が決まる仕組み
わが家の家計は月40万円、私の負担分は26万円
わが家の生活費は、世帯で月40万円ほどです。家賃や食費などの家計は共用口座から払い、妻と分担しています。内訳は次のとおりです。
| 費目 | 月額 | 含んでいるもの |
|---|---|---|
| 住居費 | 14万円 | 家賃(賃貸) |
| 食費・日用品 | 18万円 | 食材、外食、消耗品 |
| 水道光熱費・通信費 | 4万円 | 電気・ガス・水道、携帯キャリア、ネット |
| 子ども関連 | 1万円 | 被服、習い事、レジャー(教育費は別枠) |
| 特別費 | 3万円 | 家電の買い替えの年割り |
| 保険・交際費・被服 | 世帯の40万円に含めない | それぞれが自分の収入から払う |
| 合計 | 40万円 |
一般的な家庭と比べると、食費の比率が高いかもしれません。住まいの質より食事の質を上げる方が生活の満足度が上がる、という価値観だからです。
教育費は、この40万円に入れていません。別枠で積み立てています。家族旅行のような大きな出費も、月々の40万円には入れていません。
私の負担分は月26万円、FIREの計算はこの数字で
共用口座への入金は、私が月26万円、妻が月14万円です。この額は、収入や家事の分担を勘案して相談で決めました。
私の負担分は、この入金額の月26万円、年312万円です。会社員時代の直近1年の実績で、退職の前後で変わっていません。FIREに必要な資産は、この312万円を30倍した約9,360万円を目安にしました。
保険には入っていません。交際費のような個人の支出は、この26万円には入れず、配当などの収入が生活費を上回る分で払っています。上回る分が見込めない方は、こうした支出も生活費に入れてください。

「生活費×30」に入れる支出、入れない支出
ここでいう生活費は、「FIRE後に自分の資産で賄う、1年分の支出」です。家賃も、家電の買い替えも、旅行も、資産で払うなら生活費に入れます。世帯の家計に入れていない保険や交際費も、自分が払うなら自分の生活費に入れます。
入れるもの
- 家賃、食費、光熱費・通信費、保険や交際費、日用品、家電や車の買い替えの年割り
- 旅行などの楽しみの費用(資産で賄うなら)
入れないもの
- 教育費(時期が限られるので、別枠で用意する)
- 配偶者が負担している支出(自分の負担分だけを数える)
退職の翌年に来る住民税や、自分で払う健康保険料など、辞めてから増える支出もあります。その中身は「FIREは2億円でも足りない?」に書いています。
共働きの生活費は「自分の負担分」だけ数える【わが家の別財布ルール】
わが家は妻と財布が別です。共用口座は生活費用と教育費用の2つで、教育費は生活費と分けて積み立てています。
私の312万円は、自分が負担する分だけを数えた数字です。妻の収入や資産は知りません。財布が別なので、妻の資産はFIREの計算に入れていません。
共働きなら、自分が負担する生活費だけで、自分の必要資産を計算します。これがいちばん揉めないやり方だと考えています。配偶者も同じように、自分の負担分で自分の必要額を出します。
収入に差がある家庭では、入金の割合を収入の比で決めるやり方もあります。どの決め方でも、自分が入金した額が自分の負担分になります。
独身の方は、生活費の全額が自分の負担分です。夫婦で財布を一つにしている方は、世帯の生活費を世帯の資産で賄う前提で、世帯として計算します。

わが家の財布別ルール
- 生活費用と教育費用の共用口座を作る
- 毎月の入金額を決める(固定額。割合は相談で)
- 家族旅行など大きな出費は、その都度、追加で出し合う
- 個人の口座とカードは別にして、自分の支出だけを集計できるようにする
- 自分の必要資産は、自分の入金額×12×30で計算する
住居費は賃貸なら家賃込み、持ち家はローン・税・修繕を分けて数える
住まいは賃貸です。家賃は毎月の生活費に含めているので、312万円×30の中に住居費も入っています。
賃貸なら家賃をそのまま生活費に入れ、持ち家なら残るローンと税・修繕費を入れます。
ローン返済中の方は、完済までの残りの返済額を、教育費と同じ別枠にする方法が分かりやすいです。完済後も固定資産税と修繕費は残るので、年割りにして生活費に足します。
教育費は「生活費×30」に入れず、別枠2,000万円で積み立てる
教育費は、生活費×30に入れていません。発生する時期が限られているからです。
わが家はいまのところ教育費がほとんどかかっておらず、大きく発生するのは大学進学後です。いまの生活費に教育費を混ぜると、必要額を大きく見積もりすぎます。かといって無視すると、進学時に足りなくなります。だから別枠にしました。
金額は、子ども1人あたり2,000万円の想定で、すでに足りている状態です。現金で持っておくとインフレ負けすること、使うのは15年以上先なので、元本割れリスクはほとんどないため、多くの資金を投資に回しています。オルカン50%・先進国債券50%というかなり保守的な配分です。
一般的な目安は、幼稚園から大学まですべて公立なら約800万〜1,000万円です。すべて私立なら2,000万円を超えるといわれます。進路の選択肢を狭めないよう、上限に近い2,000万円を置きました。
年間生活費の集計は家計簿アプリに任せる【直近1年・特別費・楽しみの費用】
生活費は、直近1年分を家計簿アプリで集計します。1年分あれば、季節の偏りや年に数回の出費も含めた平均が出ます。
家計は家計簿アプリのマネーフォワードMEで管理しています。共用の銀行口座と、生活費用のクレジットカードを紐づけておけば、家計簿が自動で作られ、年間の集計も費目ごとに出ます。マネーフォワードMEオフィシャルサイト
家計簿をつけていない方は、まず直近3か月分のカード明細と口座の引き落としを確認するのでも良いでしょう。
集計で見落としやすいのが、毎年は発生しないけれど、確実にどこかで必要になる支出です。冷蔵庫と洗濯機を10年に一度、30万円で買い替えるなら、年3万円を生活費に足しておきます。車の買い替えも同じです。
旅行などの楽しみに使うお金も資産で賄いたいなら、生活費に入れておきます。入れなければ、FIRE後の旅行は別の収入で賄うことになります。
生活費が分かれば、必要な資産額は決まる【早見表】
必要な資産額の目安は、年間生活費×30です。私の場合は約9,360万円で、iDeCoを除いた資産1.2億円が上回っていました。
毎月の生活費とFIREに必要な資産額を早見表にしてみました。
| 月の生活費 | 年間生活費 | 必要資産の目安(×30) |
|---|---|---|
| 15万円 | 180万円 | 5,400万円 |
| 20万円 | 240万円 | 7,200万円 |
| 25万円 | 300万円 | 9,000万円 |
| 30万円 | 360万円 | 1億800万円 |
| 35万円 | 420万円 | 1億2,600万円 |
| 40万円 | 480万円 | 1億4,400万円 |
生活費が月1万円変わると、必要な資産額は約360万円変わります。内訳を見直す価値は、ここにあります。生活費を削るのは簡単ではありませんが、いかに重要かが分かります。
必要額に届かないときは、生活費を下げる、資産を増やす
必要額と今の保有資産の差が分かれば、打ち手は2つです。
固定費を見直して、生活費そのものを下げる
生活費を1割下げれば、必要額も1割減ります。月26万円の私なら、月2.6万円の削減で必要額が936万円下がる計算です。通信費や保険といった固定費は、一度見直せば効果が続きます。
資産を増やす
生活費を下げるのには限界があるので、多くの方は、資産を増やすための取り組みも必要でしょう。投資で資産を増やすのが基本です。ただ、投資の利回りを上げるよりも、収入を上げて投資元本を増やした方が、資産を大きくする効果が大きいです。
私が転職で年収を2割上げた経緯は「JACリクルートメント体験談」に書いています。
まとめ 生活費を正しく数えることが、FIREの出発点
- 生活費は「FIRE後に自分の資産で賄う1年分の支出」。家賃も特別費も入れる
- 共働きは自分の負担分だけ。教育費は別枠で積み立てる
- 集計は直近1年分を家計簿アプリで
- 生活費を下げる、資産を増やす(収入を上げる)
生活費が決まれば、目指す資産額は一本に決まります。まずは直近1年分を集計して、計算してみてください。
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