管理部門が転職で評価される3つの軸。あなたの市場価値は思ったより高い

あなたの市場価値は、思っているより高い。管理部門(法務・人事・経理)が転職で評価される3つの軸 のアイキャッチ画像

管理部門(法務、人事、経理、総務といったバックオフィス)で働いていると、「自分は転職市場で、どう評価されるのだろう」と不安になることはないでしょうか。営業のように、分かりやすい数字の実績があるわけではありません。

けれど私は、管理部門の一員として転職し、年収が上がりました。そのうえ、8年ほど、採用面接も経験してきました。両方の側に立って分かったのは、市場価値は、本人が思っているより高いことが多い、ということです。この記事では、採用側として見てきた視点も交えながら、管理部門に共通して評価される3つの軸を書いてみたいと思います。

目次

市場価値は思っているより高い

管理部門の仕事は、営業のように「売上をいくら伸ばした」と数字で示しにくいものです。だからこそ、自分の市場価値が見えにくく、転職に二の足を踏む方も多いのではないでしょうか。

けれど、面接する側に立ってみて、見え方が変わりました。採用する側が見ているのは、大きく二つです。一つは、これまでの実績、どういったことを成し遂げたか、です。もう一つは、日々の業務に、どんな考えを持って取り組んできたか、です。そして、この二つ目を自分の言葉で語れる人は、思いのほか多くありません。だからこそ、語れる人は、自然と印象に残ります。

私自身、37歳で転職したとき、年収は額面でおよそ2割上がりました。特別な資格や、派手な実績があったわけではありません。評価されたのは、もっと地味で、けれど管理部門に共通する強みだったように思います。それを、3つの軸に整理してみたいと思います。

管理部門の転職で評価される、3つの軸

① 現場を大事にし、「提案できる」こと

一つ目が、私が最も大事だと感じている軸です。それは、現場を大事にし、一歩踏み込んで提案できること、です。

管理部門の仕事は、ともすると「ルールではこうです」「規程ではできません」と、線を引いて終わりになりがちです。けれど、本当に評価されるのは、そこから一歩を進められる人です。「できません」で止めず、「こうすれば、現場が前に進めるのではないか」と、一緒に道を探せること。

法務であれば、「法的にはこうなので、こう進めませんか」。人事であれば、「制度上はこうなので、こう運用してはどうでしょう」。経理であれば、「会計上はこうなので、こう処理しませんか」。立場は違っても、根っこは同じです。ルールを盾にするのではなく、ルールを踏まえたうえで、現場の課題を一緒に解く。その姿勢が、管理部門の転職で評価されます。

私自身の例で言えば、新規事業の立ち上げ支援を多くしてきました。契約上のリスクや、業法の観点から見ると、そのままでは危ういことがあります。そんなとき、「できません」で終わらせず、「こういう商流にしてはどうか」「このビジネスモデルのほうが、同じ目的をより安全に果たせるのではないか」と、代わりの形を提案するようにしていました。守秘の都合で詳しくは書けませんが、現場が実現したいことを、頭を柔軟にして、法律の枠の中で成り立たせる道を一緒に探す。それが、私の仕事の中心でした。

面接では、これを抽象論ではなく、具体的なエピソードで語れるかどうかが分かれ目になります。「現場とこういうやり取りがあり、こう提案して、こう解決した」。一つでも、自分の言葉で語れる経験があれば、それは確かな強みになります。

② 失敗から学ぶ、素直さ

二つ目は、失敗から学べる素直さを持っていることです。

意外に思われるかもしれませんが、面接で失敗経験を率直に語れる人は、高く評価されます。失敗をしたことがない人はいないはずです。大事なのは、その失敗から何を学び、次にどう活かしたか、です。失敗を隠したり、人のせいにしたりせず、素直に振り返って学びを得ていることが伝わると、これからも成長していける人だと評価してもらえます。

私自身、面接ではこんな失敗も話してきました。中国に駐在していたころ、合弁契約のドラフトを作る際に、現地の会社法では実現できない条件を、うっかり盛り込んでしまったことがあります。締結の前に気づいて事なきを得ましたが、一つひとつ丁寧に確認することの大切さを、痛感した出来事でした。完璧な実績を並べるよりも、こうした失敗と、そこから何を変えたかをセットで話すほうが、信頼につながるように感じています。

③ 経験のバランス

三つ目は、経験のバランスです。一つの分野に偏らず、担当領域を幅広くカバーしてきたことが強みになります(もちろん、キャリアが短ければ少なくても構いません)。

法務であれば、契約審査だけでなく、法律相談、紛争対応、コンプライアンスまで一通り。人事であれば、採用、労務、制度設計、個別人事、教育など。経理であれば、決算、税務、管理会計、財務など。一つの専門を深く掘ることも価値ですが、管理部門の場合、将来のローテーションも含め「この領域なら一通り任せられる」というバランスがある方が採用しやすいです。

私自身、20代の終わりに海外赴任を志願し、のちに海外でチームを率いる経験もしました。そのなかで、契約、法律相談だけでなく、M&Aやコンプライアンス、内部通報対応、訴訟など法務業務は一通り経験してきました。

面接では、これまでの経験してきた業務は確実に聞かれますし、面接する側としては採用後の配属やその後のローテーションをイメージしながら採用を決めますので、経験した業務の種類が多い方が採用しやすいのが本音です。マネジメントや海外駐在のような経験は、必須ではありませんが、「現職でそれなりに評価され、任されてきた人なのだろう」という、採用側の安心感にもつながります。転職市場で評価されやすいスキルについては「法務の転職で評価されるスキル」に詳しく書いています。

武器は「言語化」して初めて伝わる

ここまで3つの軸を挙げてきましたが、最後に、いちばんお伝えしたいことがあります。これらの強みは、言語化して初めて、相手に伝わるということです。

多くの人は、日々の業務の中で大切にしていることを、わざわざ言葉にしていません。無意識にやっているからこそ、面接の場で問われても、うまく言葉が出てこない。けれど、採用する側が知りたい「業務にどんな考えを持って取り組んできたか」は、まさにそこにあります。

だから、まずは書き出してみることをおすすめします。これまでの経歴と実績を、書き出す。そのうえで、日々の仕事で自分が何を大事にしてきたかを、言葉にしてみる。頭の中にあるうちは曖昧だったものが、書くことで輪郭を持ち、面接で語れる強みに変わっていきます。

まとめ まず、書き出してみる

市場価値は、本人が思っているより高いことが多い。これは、転職して、そして面接する側も経験した私の、率直な実感です。

営業のような数字がないからと、自分を低く見なくてもいいのではないか、と思います。現場を大事にして提案してきたこと。失敗から学んできたこと。幅広い経験を積んできたこと。それらは、確かに評価される強みです。

まずは、自分の経歴と実績を書き出し、日々の業務への姿勢や考え方を、言葉にしてみてください。自分では当たり前だと思っていたことが、実は確かな強みだった。そう気づくきっかけになるかもしれません。

その言語化を一人で進めるのが難しければ、転職エージェントに相談しながら、自分の市場価値の輪郭をつかむ方法もあります。私が実際にエージェントを使って、市場価値を確かめてみた体験は、別の記事にまとめました。

JACリクルートメント体験記。登録から内定・年収交渉まで、実際どうだったか

JACリクルートメント公式サイト

なお、「そもそも転職すべきかどうか」から迷っている場合は、得るものと失うものを書き出して整理する方法を、別の記事にまとめています。あわせてご覧いただければと思います。

30代課長の転職決断フレーム【得るもの・失うものを全列挙する】

管理部門が転職で評価される3つの軸のまとめ図解
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次