内定のオファーをもらったら確認すべきこと|想定年収と基本給・賞与・手当の見方と実例

内定をもらったら想定年収の内訳確認。37歳法務課長が初転職で年収2割増の提示を受けた実例

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内定の連絡と一緒に、労働条件通知書が届きます。想定年収の数字を見て、うれしい反面、この数字をそのまま信じてよいのか気になる。そんな方に、想定年収の内訳と前提の確かめ方を、私の実例とあわせてお伝えします。

想定年収は、賞与の満額支給などの前提を置いた見込み額です。賞与が含まれるのは普通で、確かめるのは賞与の前提と手当、初年度に受け取る額です。

私は37歳で法務課長のとき、初めての転職で内定を受けました。提示された想定年収は額面で約1,200万円、前職より約2割増です。基本給の割に高いと感じ、転職エージェントのコンサルタント経由で確認しました。年収の水準が違っても、確かめる点は同じです。

採用する側に8年いた経験から、質問の受け止め方も書きます。

この記事で分かること
  • 労働条件通知書で確認すべきことの一覧と確かめ方
  • 想定年収の内訳を確認した実例
  • 疑問点を誰に聞くかの判断基準
目次

内定後に労働条件通知書で確認すべきこと

労働条件通知書で確認すべきポイントを、「お金の条件」、「労働時間と勤務地」、「業務内容」、「基本条件と入社日程」に分けて、不明点があった場合の確認方法を含め一覧にしました。

お金の条件

確認点不明点の確認方法
想定年収の額と内訳:賞与は満額が前提か、残業代は入っているか通知書を見て、エージェント経由で確認
手当や住居の補助は、自分が対象になるか支給の条件をエージェント経由で確認
初年度の賞与の扱いと、受け取る見込み額入社予定日を伝え、エージェント経由で確認
退職金の制度と受け取り方エージェント経由で確認

労働時間と勤務地

確認点不明点の確認方法
所定労働時間と年間休日通知書を見て、今の会社と比べる(意外と会社によって異なるので要注意)
勤務地と、転勤や異動の範囲通知書を見る

業務内容

確認点不明点の確認方法
業務内容と、その変更の範囲通知書を見る
任される役割と裁量、残業の実態オファー面談などで、会社に直接質問する

勤務地と業務は、2024年4月から、将来の変更の範囲も書面で明示されるようになりました。この改正は厚生労働省の労働条件明示ルールの案内で確認できます。転勤の可能性を気にする方は、通知書のこの欄を見てください。

基本条件と入社日程

確認点不明点の確認方法
雇用形態と契約期間。有期なら更新の条件通知書や契約書を見る
試用期間の長さと、その間の待遇の違い書類を見て、不明点は質問する
入社予定日入社日を変えたい場合はエージェント経由で相談
承諾の期限と返答の方法内定メールや承諾書の案内を見る

このうち、内定を受けたときの私がしっかり確認したのは、「お金の条件」でした。

想定年収の内訳と手当を確認して分かったこと

想定年収は、基本給の1年分に賞与を足した見込みの金額です。

ただし、初年度はその満額はまずもらえません。入社後最初の賞与は、満額では出ない会社が大半だからです。

また、賞与をどんな前提で見込んでいるか、残業代や手当が入っているかも、会社によって異なります。リクルートエージェントの求人票に関する公式Q&Aでも、満額の賞与を想定した金額が示される場合があると説明しています。

内訳と初年度の差を、架空の数字で示します。

想定年収の内訳と初年度の差(架空の例)
  • 想定年収600万円 = 基本給 月37.5万円×12か月の450万円 + 賞与 年2回・満額の150万円(1回75万円)
  • 初年度に最初の賞与が出なければ、450万円+75万円 = 525万円
  • 想定年収との差は、出なかった賞与1回分の75万円

私の場合、内定の連絡はメールで届き、採用内定通知、労働条件通知書、承諾書、入社手続きの案内が添付されていました。労働条件通知書をすべて読むと、想定年収は思ったより高い金額でした。

ペンタペンタ
メールを開けたとき「お、これはありかも、でも想定年収が高すぎないか。」と思いました

そこで、お金の条件を4点、エージェント経由で確認しました。私が使った転職エージェントはJACリクルートメントです。

時系列
  1. 内定の連絡と書類を受け取る
  2. 翌日、エージェントへ確認したいことを4点まとめてメールで送る
  3. メールを送った2日後、エージェント経由で会社の人事からの回答が届く
  4. 書類の受け取りから9日後に承諾する

確認した4点と、人事からの回答は次のとおりです。

確認したこと回答
想定年収に、基本給以外の手当が含まれているか(基本給の割に想定年収が高く感じるが、想定年収は正しいか)年2回の賞与を満額で含んだ金額で、手当は含まれていない。想定年収は正しい
社宅や住居の補助はあるか補助の対象
単身赴任手当は、入社時点の自分に支給されるか会社都合の異動が条件で、入社時に別居の場合は対象外
退職金を確定拠出年金で受け取れるか退職金のうち一部は確定拠出年金での受取

回答のとおり、想定年収は正しい金額で、中身は基本給と年2回の賞与(満額)でした。その賞与は前年の実績をもとにしたもので、提示額のうち業績によって変わる部分です。私は管理職としての採用で残業代は別に出ず、想定年収はその前提の金額です。

手当は、名前があっても自分が対象とは限りません。「あるか」ではなく「自分が受け取れるか」を確認します。私が尋ねた単身赴任手当も、入社時点の私は対象外でした。

誰に何を聞くかは内容で分ける

私は、仕事の中身はオファー面談で会社に直接、お金や制度の条件はエージェント経由でと、聞く相手を分けるのがよいと考えています。

内定の条件を誰に聞くかの図。お金や制度の条件はエージェント経由で会社へ、仕事の中身は会社に直接確認する

直接応募の場合は、お金の条件も会社に聞くしかなく、やりにくい面があります。

具体的な役割と残業の実態は会社に直接確認する

何を任されるか、どこまで自分で判断できるか、どのくらい残業するかは、書面だけでは読み取りにくいところです。このあたりは、エージェント経由よりも、自身で会社(配属先職場など)に確認する方がスムーズです。

その機会として、内定後に労働条件を確認するオファー面談が設定されることもあります。設定がなければ、こちらから依頼できます。そういった場を活用し、配属先の役割や、残業の平均と繁忙期の目安を聞くと、働き方を具体的にイメージできます。

お金の条件はエージェント経由で確認する

お金まわりは、会社に直接は聞きにくいものです。エージェント経由なら確認しやすく、私は先ほどの4点をすべてエージェント経由で確認しました。JACに登録してから内定までの経緯は、JACリクルートメント体験談に書いています。

こんなイメージのメールをエージェントに送りました。

確認メールの例(架空)

労働条件通知書について、次の点を確認させてください

  1. 想定年収には、基本給のほかに賞与や手当が含まれていますか。基本給との差が大きく感じたため、内訳を知りたいです。
  2. 通知書に記載のある手当について、支給の条件と、入社時点で対象になるかを教えてください。
  3. 住宅に関する補助はありますか。対象となる条件があれば教えてください。
  4. 退職金の受け取り方に、確定拠出年金などの選択肢はあるでしょうか。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

採用する側から見ても、手当や退職金は待遇のひとつなので、確認されても違和感はありませんでした。とはいえ、エージェントを通したほうが聞きやすいですし、角が立ちにくいです。まずエージェントに聞けば、会社に確認しにくい内容ならそう言ってくれます。

承諾前に年収と働き方を比べる

回答がそろったら、今の会社と転職先を比べます。客観的な数字として見るべきは、年収、初年度の賞与、働く時間の3つです。私は次のとおりでした。

項目前職転職先
年収約1,000万円(額面)約1,200万円(額面)の提示
中身この額を転職の下限にした基本給と年2回の賞与(満額)。手当は含まない
初年度転職を決めた時点で、夏の賞与約120万円をもらい損ねる計算賞与は満額ではなかった
時間1日7時間30分1日8時間。年間休日は前職より少ない

年収は同じ前提で比較する

想定年収は賞与の前提を置いた見込みで、今の年収は実績です。比べるときは、転職先も賞与と自分に支給される手当を含め、双方を1年分の額面でそろえます。基本給の比率が高い会社、賞与の比率が高い会社、福利厚生が多い会社など様々ですので、基本給だけを比べないようにしてください。

そのうえで、賞与が減った場合にも受け入れられる条件かどうかも、加味してください。基本給が下がることはあまりありません。厚生労働省の「労働条件の変更」の解説のとおり、労働条件を会社が一方的に引き下げることは、原則としてできないからです。賞与や手当で年収が高くなっている場合は、その分は下がる可能性があります。

年収を比較するときの確認点
  • 基本給と、支給が確認できた手当を1年分にする
  • 賞与や残業代は、算定の前提をそろえて並べる
  • 賞与が減った場合に、年収がどこまで下がるかを見る

家計への影響は、税金や社会保険料を引いた手取りで考えます。額面と手取りの違いは、年収1,000万円の手取りはいくら?で、モデルケースを使って説明しています。

初年度の賞与は入社時期と支給条件を確認する

入社後最初の賞与は、査定期間の在籍が足りず、支給されない、または減額されるのがほとんどです。提示された想定年収には賞与が含まれているため、初年度に同じ額を受け取れるわけではありません。入社予定日を伝え、最初の賞与の扱いと、初年度に受け取る見込み額を確認してください。

私の初年度の賞与と、その後
  • 転職を決めた時点:前職の夏の賞与約120万円をもらい損ねる計算をしていた
  • 初年度:賞与は満額ではなかった
  • 2年目以降:基本給の上昇に加えて賞与が高く、想定年収を上回った

賞与の査定期間と、支給日に在籍する人だけに支払う支給日在籍要件の仕組みは、転職活動は何月に始めるかに書いています。

所定労働時間と年間休日は年収とセットで見る

労働条件通知書には、所定労働時間と年間休日が書かれています。私はすべての項目に目を通していましたが、この2つの意味は読みきれていませんでした。

転職先の所定労働時間は1日8時間で、前職は7時間30分でした。年間休日も少なかったため、1年の中で働く時間が延びました。働く時間が延びた分、時間あたりで見れば、年収は数字どおりには上がっていなかったことになります。

ペンタペンタ
そこはしっかり認識したうえで判断すべきだったと考えています

所定労働時間は、会社によって違います。年間休日は、祝日や会社独自の休暇の扱いによっても変わります。年収と一緒に、1日あたりの所定労働時間と年間休日も並べて比べてください。年間の所定労働時間は、次の式で出せます。

年間の所定労働時間の出し方

年間の所定労働時間 =
1日の所定労働時間
×(365 − 年間休日)

時間あたりの金額まで出すなら、両社とも基本給と固定の手当だけにするなど、給与の範囲をそろえます。働く時間と年収の釣り合いを見るための計算です。

提示された条件で判断するときの私の基準

条件を確認したあと、最後に決めるのは自分です。私は年収の下限を先に決めていました。

年収が下がるなら転職しないと決めていた

私は、年収が下がるなら転職しないと決めていました。エージェントの登録時に現在の年収を記載し、初回面談でも聞かれたのでそのまま説明しました。

提示を受ける前に決めていたこと
  • 下限:前職の年収の約1,000万円。これより下がるなら転職しない
  • 希望年収:約1,200万円。初回面談で伝えた
  • 金額のほかに:勤務地や福利厚生も含めて総合的に判断する

下限を先に決めていたので、提示を受けたあとにお金で迷うことはありませんでした。自分の下限を先に決めておくと、提示額を見てからの判断がぶれにくくなります。下限をいくらにするかは、人それぞれです。

最後に迷ったのは成長できる環境と人間関係

お金の計算はできていたので、最後に迷ったのはお金ではありませんでした。どちらの会社で自分が成長できるか。今の会社で積み上げてきた人間関係や信頼がなくなっても、やっていけるのか。同じ環境に居続けるより、違う環境のほうが成長できるのではないか。

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一度きりの人生なので違う会社も経験したい、が勝ちました

承諾書の期限は2週間以内でした。私が承諾したのは、書類の受け取りから9日後です。エージェントから回答を促されることがあっても、期限の範囲内なら決断を急ぐ必要はないと考えています。こうした迷いには、家族と相談する時間も必要です。

転職で得るものと失うものを書き出して比べる方法は、30代課長の転職決断フレームに書いています。

内定の条件確認に関するよくある質問

想定年収に残業代は含まれますか

会社によります。固定残業代として含める会社、実績に応じて別に支払う会社があります。私は管理職としての採用で残業代は別に出ず、想定年収はその前提の金額でした。

固定残業代を含める場合、厚生労働省は、固定残業代に関する案内で、募集要項や求人票に3点を明示するよう求めています。固定残業代を除いた基本給の額、時間数と金額、超えた分を追加で支払う旨です。

想定年収を下回ったら違法ですか

想定年収との差だけでは判断できません。業績によって変わると説明された賞与が減ったのか、合意した基本給や手当が支払われていないのかを分けて確認します。業績によって変わると説明されていた賞与が減ったのなら、見込みとのずれです。

一方、基本給や固定の手当は、会社が書面で明示する労働条件です。労働基準法第15条は、賃金などの労働条件の明示を会社に義務づけています。通知書に書かれた基本給が実際と違うなら、見込みのずれではなく、明示された条件との食い違いです。その場合は会社に説明を求めてください。

オファー面談とメールのどちらで確認すればよいですか

オファー面談があるなら、その場で質問します。転職判断に影響する重要な条件は、回答をメールなど記録に残る形でももらっておくと安心です。働き方や業務内容の詳細、裁量などは、ニュアンスもあるので、会話の中で聞くのが良いでしょう。

年収の増額交渉はしましたか

していません。初回面談で希望年収を伝え、最終面接のあとに希望どおりの約1,200万円の提示を受けました。私がしたのは、希望を伝えることと、提示された内容を確認することでした。私からは見えていませんが、エージェントが会社と調整してくださったのだと推察しています。

まとめ

内定のオファーをもらったら、承諾の前にしておくことは次の4つです。

承諾前にしておく4つのこと
  • 想定年収は賞与込みの見込み額。賞与の前提と手当、初年度の額を確かめる
  • お金や制度の条件はエージェント経由で、仕事の中身は会社に直接聞く
  • 年収は1年分の額面でそろえ、賞与が減っても受け入れられるかを見る
  • 所定労働時間と年間休日も並べて比べ、年収の下限は先に決めておく

提示された年収は、承諾を決めるための出発点です。数字の前提と条件を確かめてから決めれば、入社後に「思っていたのと違う」と感じることは減らせます。

想定年収の内訳や手当の確認を頼んだ相手は、JACリクルートメントのコンサルタントでした。応募前の質問も、内定後の条件の確認も、コンサルタントを通してできました。これから転職活動を始める方や、条件が合わずに活動を続ける方は、相談先の一つとして検討してみてください。

\ 顧客満足度 8年連続No.1 /

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完全無料・現職への配慮徹底

ほかのエージェントも見たい方へ。私が使ったエージェントの違いは、リクルートエージェントとJACリクルートメントの違いにまとめています。

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