「会社を変えたほうが良いかも」と思い始めたリアル:37歳課長、法務13年目の転職決断

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職場にも仕事にも待遇にも、特に大きな不満はない。それなのに、ふと「会社を辞めたい」「会社を変えたほうが良いかも」と思う。30代で、そんな感覚を抱えていませんか。

私の場合、入社13年目・37歳・課長の頃でした。ふとした瞬間に「このまま定年までこの会社の法務をやっていていいのか」という不安が頭の片隅にありました。結論として転職を選びましたが、動機は不満ではなく、不安でした。

当時の自分が拾ったサインを、記録として残しておきたいと思います。

目次

入社13年目、37歳、課長:不満はないが不安はあった

当時、私は入社13年目、37歳、課長というポジションでした。年収は約1,000万円、残業は月60時間程度。妻は共働きで、仕事は楽ではないものの、恵まれた環境だと思います。

仕事自体は面白く、上司や同僚との関係も悪くありませんでした。仕事に対する評価も悪くはありませんでしたし、待遇に強い不満もありませんでした。

それでも、何かが引っかかる感覚は消えませんでした。

「不満があるから転職する」と一般には言われますが、私の場合は不満ではなく、不安が動機でした。「このまま定年までこの会社の法務をやっていていいのか」。その問いが頭の片隅に居つき続けていたのです。

私が拾った「会社を変える」のサイン5つ

不安の正体を、当時、自分なりに整理しました。後から振り返ると、5つのサインに分けることができたと思います。

① 成長を感じなくなった

入社直後の数年や、20代後半に出させていただいた海外赴任の頃は、毎日が新しい挑戦でした。知らないことだらけで、それを一つずつ覚えていく実感がありました。

ところが13年目になると、未経験の業務がほとんどなくなっていました。新しい案件が来ても、「これは過去のあのケースに似ている」と頭が動く。楽ではあるのですが、自分の中で何かが伸びている感覚は薄れつつありました。自分の専門性が陳腐化していくのではないか。そんな不安も芽生え始めていました。

② 必死に考えなくても仕事ができるようになった

案件の8割か9割は、過去の前例とパターンマッチで処理できるようになっていました。会社にとっては効率化で、ありがたいことだったかもしれません。

ただ、自分の中ではそれを「楽」と感じる前に、自分の思考が浅くなっている。そう感じることのほうが多かったです。

③ 長期間、同じ職場にいる

入社からずっと同じ会社、同じ法務にいました。海外赴任で全く異なる経験をさせていただきましたが、元の部署に戻りました。自分の判断軸が「この会社の法務」になっているのではないか。そういう不安が、徐々に強くなっていきました。

④ 出世した元上司、先輩の仕事をしたいと思えない

5年後、10年後の自分の姿を想像したとき、出世した先にあるのは、元上司や先輩がいまされている仕事です。その仕事を自分がやりたい、というイメージが持てませんでした。

皆、優秀で尊敬できる方ばかりですが、自分がその仕事をしたい、という感覚がなくなりました。正直に言えば、その仕事に、自分はやりがいを持てないのではないか。そう感じてしまったのです。

⑤ 家族に仕事を自分の言葉で話せなくなった

入社直後、海外赴任していた頃、課長に昇格した頃。これらのタイミングでは、自然と家族に仕事の話ができていました。こんな仕事をしたよ、と自分の言葉で話せていたと思います。

ところが、ここ数年は、話す内容が「定常運転」のことばかりになっていました。誇らしいと言えるような新しい変化が、自分の中で起きていない。これは、地味ですが、私にとっては大きなサインだったかもしれません。

専門職特有の「社内最適化リスク」:この会社でしかできない人材になる怖さ

5つのサインに通底していたのが、専門職特有の「社内最適化リスク」(勝手な造語)です。

専門職として長く同じ会社にいると、自社の事業や契約パターン、社内のルールに、(上司や意思決定者のキャラクターなどの)判断軸が最適化されていきます。その会社で働くための知恵ではありますが、個人の市場価値という意味では、別の会社や別の業界では通用しない判断軸になっていく可能性があるのも事実です。

私が在籍していた頃、法務機能の強化のために、中途で入ってきた同僚が何人かいました。彼らと話す中で気づいたのは、自分が知らない世界が思っていたよりずっと広いということでした。同じ「法務」という肩書きでも、業界や会社が違えば、扱う論点も意思決定の流儀も大きく違う。彼らの話は、自分の視野の狭さを毎回、静かに教えてくれました。

自分の専門性が、この会社の中でしか通用しないものになっているのではないか。そういう不安が、はっきり言葉になり始めたのも、この頃でした。(管理部門の市場価値については「管理部門が転職で評価される3つの軸。あなたの市場価値は思ったより高い」で詳しく書いています)

サインに気づいた後、私がやったこと

サインに気づいたからといって、すぐに転職を決めたわけではありません。「得るもの」と「失うもの」を紙に並べて、感情を一度切り離して比べたのです。具体的な項目と並べ方は別記事にまとめました。

関連記事:「30代課長の転職決断フレーム、『得るもの・失うもの』を全列挙する」

まとめ 不安のサインは、準備を始める合図

「会社を変えたほうが良いかも」と思い始める瞬間は、不満からではなく、なんとなくの不安から生まれることがあります。私の場合、専門職特有の「社内最適化リスク」があったと考えています。

迷っている方は、次のステップとしてご自身の「得るもの・失うものの全列挙」を試してみるのもいいと思います。「なんとなくの不安」は、言語化した瞬間に動ける選択肢に変わります。

まずは、得るものと失うものを紙に書き出してみる。具体的なやり方は先ほどの「30代課長の転職決断フレーム」に、法務としてのキャリアの選び方全体は「法務のキャリアパスは2つ【専門性を磨くか、複数の会社を経験するか】」に書いています。

会社を変えるサイン5つと社内最適化リスクの図解

関連記事: JACリクルートメント体験記。登録から内定・年収交渉まで、実際どうだったか

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